「柳井日日新聞」に県庁の国際交流課で「国際交流員と交流しませんか」と案内の記事があり、県庁に電話をして問い合わせると、スペイン、米国、韓国、中国からの交流員がいるということでした。調理実習でメキシコ料理を作ったり、現在スペイン語を勉強しているので、スペインからの方との交流を希望しました。そこで、今回のマリアさんを紹介され、電話とメールで連絡をして、クリニックに来ていただき、スペイン料理の調理とスペインの紹介をしてもらうことになりました。マリアさんのことは別の「YOU(よう)おいでました日本へ(Welcome to Japan!)」をご覧ください。日本語が堪能で、電話でもメールでも話したり、書いたり、読んだりは何の違和感もない日本語でした。日程としては、いつもまかないを木曜日にしていますが、午後の診療が午後2時半からあり、時間の制約があるので、午前中だけ診療の水曜日6月7日にスペイン料理のまかないをすることにしました。
その後メールのやりとりで、作る料理はスペインといえば「パエリア」、スペイン風オムレツの「トルティージャ」、冷たいスープの「ガスパチョ」にしました。5名分のレシピを送っていただき、必要な器具などを連絡してもらい、今回マリアさんを含めて13名なので、2〜3倍の量を計算し食材を準備しました。
平成29年6月7日(水)、マリアさんは午前9時15分に柳井駅に到着予定、迎えに行って午前10時頃から栄養士3名と一緒に調理を始め、午前の診療が終わってスタッフと一緒に食事をし、その後にマリアさんにスペインの紹介をしてもらうことにしました。
いよいよスペイン料理の日です。実は栄養士チームはこの日を楽しみにしていました。当日は電車が遅れたため、予定よりも少し遅れてマリアさんが到着しました。そこから自己紹介をして、10時過ぎから調理を開始しました。
まずはじめは「ガスパチョ」作りからです。ガスパチョは、トマトやピーマンなどの野菜をミキサーにかけて作った冷製スープです。この時のトマトは、甘みのあるプラムトマトや小野田トマトがお勧めらしいのですが、今回は由宇トマトを使いました。作り方は、トマト、皮をむいたきゅうり、玉ねぎ、種をとった赤パプリカをさいの目切りにしておき、バゲットは水でふやかして小さくちぎります。この時のパンは少し固くなったパンを使うことが多いそうです。野菜と水でふやかしたパン、オリーブオイル、塩、こしょう、水を一緒にミキサーにかけます。その後、ボウルに入れて冷蔵庫で冷やしておきます。
次は「パエリア」を作りです。パエリアはクリニックにあるフライパンと、マリアさんが持参したパエリア用の鍋で作りました。初めて本物のパエリア用の鍋を見て、とても浅く、大きいことにびっくりしました。作り方は、まず赤パプリカをトースターで真っ黒になるまで焼いて皮をむき、細長く切っておきます。次に、フライパンにオリーブオイル、輪切りにしたにんにくを入れ、鶏肉を炒めます。さらにオリーブオイル、にんにくを追加し、魚介類を炒めます。そこに汁を抜いたトマト缶と赤パプリカを加えます。次にスープ作りです。お湯にコンソメとパエリア用調味料を加えて溶かします。パエリア用調味料はマリアさんがスペインで買ってきてくれたものを使用しました。このスープを先ほどのフライパンに注ぎ、5分ほど煮て味をなじませます。そこに米を入れます。この時の米は洗ってしまうとべちゃべちゃになってしまうので、洗わずに加えます。米を入れるとき、マリアさんは十字に入れており、これにはどんな意味があるのか聞いてみると、スペインがキリスト教だからと答えていました。ここから先はお米を混ぜずに煮ていきます。リゾット状になったらえびを並べ、アルミホイルで蓋をしてさらに10分ほど煮ていきます。鍋底の音がぐつぐつからチリチリに変わったら、火を止めて5分ほど蒸らします。出来上がったらレモンをフライパンのふちに乗せて完成です。
最後に「スペイン風オムレツ、トルティージャ」です。これはよく遠足のときのお弁当に入っているそうなので、日本で言う卵焼きみたいなものでしょうか。作り方はまず、じゃがいもは縦に切り、玉ねぎは薄くスライスし、これをたっぷりのオリーブオイルで揚げます。次にボウルに卵を割り、塩コショウをします。そこに先ほど揚げた玉ねぎとじゃがいもを入れ、フライパンで半熟になるまで焼いていきます。焼けたらフライパンに皿を乗せてひっくり返し、反対側の面も焼いていきます。盛り付けるとき、バゲットの上にトルティージャを乗せ、その上に、皮をむいて細く切った赤パプリカを置いて串でさします。
診療が終わり、スタッフが2階に上がって来て、パエリヤやガスパッチョの配膳、切り分けたトルティージャをフランスパンに乗せパプリカといっしょに串で刺してピンチョスを作ったりを手伝いました。食事が午後1時に完成し、みんなでいただき、今日の料理のことやスペインの、食事のこと、自己紹介をして、スペイン語を勉強して自己紹介をする人もいました。食後は近くのケーキ屋さんで買ってきたケーキをマリアさんも含めて、ジャンケンで勝った人から好きなケーキを選び、コーヒーで食後のデザートをいただきました。スペインにジャンケンがあるのかを尋ねると、グー、チョキ、パーは同じようですが、呼び方が複雑でした。話は尽きませんでしたが、午後2時半すぎにとりあえず昼食は終了し、マリアさんの話を聴くことにしました。
タイトルは「スペインの食文化」と題して、パワーポイントを使ってプロジェクターでスクリーンに映し出しながら、スペインのこと、食事、文化などの写真を見ながら説明を受けました。スペインの面積は日本の1.3倍、人口は3分の1、ヨーロッパでの位置、主要な都市、世界遺産が中国、イタリアに次いで第3位であること。アルハンブラ宮殿やサグラダファミリアの写真をみながら、雄大さについての説明を受けました。バルセロナに行ったときにサグラダファミリアを訪れたときの感動が思い出されました。
次はスペインでの食生活、食事時間が日本よりは遅く、間食を昼と午後8時頃食べ、各々の食事にはどんなものを食べるか、チュリトス、コーヒーの種類、伝統料理はパエリア、ロースト肉、ガスパチョ、タラ料理、じゃがいもオムレツ、ヒヨコマメのシチューがあり、今日はその内の3つをいただくことができました。軽食にはフランスパンにいろんなものを挟んだサンドイッチ「ボカディージョ」、チョコレートを挟むこともあるそうです。スペインといえば日本では居酒屋に近い「バル」、そして小皿料理の「タパス」、串に刺した「ピンチョス」の歴史やどんな種類があるのか写真をみながら、由来などを聞きました。他にはオリーブオイル、ワイン、生ハムなども名産で、以前から疑問に思っていた「豚の足の塊の生ハムを薄く切ったあとの面をサランラップのようなものでカバーをするのか、どのように保存するのか、わからなかった」ので、尋ねると切ったあとの脂肪を被せるのだとわかりました。スペインの国旗を持って来られていたので、デザインの意味を聞いて、一緒に写真をとりました。質問も尽きず、話も弾みました。午後2時頃の予定でしたが、午後4時も過ぎ、いったん終了としました。その後も個人的に質問していました。
今日、調理したスペイン料理は今後の調理実習に応用して行けるようにして行ければと思います。
雨の中を朝早くから山口市から電車を乗り継いで来て、遅くまで丁寧に話をしていただきました。日頃外国の方と接する機会がありませんが、異文化を知る良い機会となりました。スペインに興味が出て、行ってみたくなったスタッフもいたのだと思います。またいい機会があれば、交流をしていけたらと思います。
献立(1106kcal)
ガスパチョ;トマト、ピーマン、赤パプリカ、玉ねぎ、きゅうり、にんにく、ワインビネガー、オリーブオイル、バゲット
トルティージャ;卵、ジャガイモ、玉ねぎ、塩コショウ
パエリア;米、鶏肉、シーフードミックス、トマト缶、イカ、コンソメ、パエリア用調味料、えび
一言感想
守冨;ガスパチョは初めて食べたけど美味しかった。夏にぴったりで、家でも作りたい。マリアさんの話を聞いて、もっとスペインのことが知りたいと思いました!
大久保章子;楽しかったー!! 美味しかったー!! マリアさんはとても魅力的。お会いできて嬉しかったです。スペインがますます好きになりました。
世木;スペイン料理3品ともとてもおいしかったです。ガスパチョはさっぱりしていて、これからの暑い季節にピッタリだと思いました。マリアさんのトークと人柄にすっかり魅了され、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
田坂;スペインは子供の頃に好きだったフィギアスケートのマンガの影響で、可能なら行ってみたいあこがれの地です。情熱の国というイメージですが、マリアさんは明るくてとても素敵な方でした。是非またお会いしたいです。
星川;旅行でヨーロッパに行きたいと思ってます。以前はフランスでしたが、今はマリアさんのスピーチを聞いてスペインが一番良いと思います。(I want to go to Europe on a trip. I wanted to visit France before, but now I think that Spain is the best after kistening Ms. Maria’s speech. Thank you.
木村;マリア様、ありがとうございました。楽しい実習でした。スパニッシュオムレツの作り方、大きさ、フライパンの大きさにもはまりました。フライパンの大きさは16cmでしょうか?早速フライパン、ネットでそれらしきもの求めました。又お得意料理ができましたら教えてください。再会願っています。どうぞ、益々のご活躍、ご発展祈っています。
中本;スペインの伝統、文化、食生活など学ぶことができ、改めて魅力を感じた。スペイン料理もとても美味しかったです。楽しい時間でした。いつか訪れてみたいです!
渡辺;異文化に直接ふれる事ができて、とても楽しいひとときを過ごせました。そしてスペインについて(特に食文化)興味がわき、もっと知りたくなりました。私にとって生まれて初めてのスペイン人、マリアさんはとてもチャーミングで、いろんな質問に真剣に丁寧に答えて下さりありがとうございました。
武永;スペイン料理とっても美味しかったです。マリアさんのお話も楽しく聞けて、スペインがより一層好きになりました。ありがとうございました。
矢野;パエリアのお米の分量を間違えてしまって申し訳ありませんでした。でも美味しくいただきました。楽しい時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。
前川;マリアさんのこと、スペインのこと、たくさん教えていただき、よくわかりました。とても楽しい時間でした。トルティーヤを家で作ってみました。家族に好評でした。ありがとうございます。
大久保院長;初めてスペイン語の会話ができ、今後の勉強の良い動機付けになった。美味しい料理、マリアさんの楽しい話、スペインの事や食文化を知る事ができて、楽しい時間を過ごせた。今はなんと呼んでいるのかわからないが、学校の社会科の授業もこんな感じだと楽しいだろうと思った。よい国際交流となりました。