ウェルネスクリニック

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内科・生活習慣病(糖尿病・高脂血症・高血圧)・甲状腺を診療する柳井市の病院です。

トウニョ
〒742-0021 山口県柳井市柳井1547-1
2021.11.12

第554回調理実習「料理の味を引き出すササニシキを使って精進料理」

令和3年11月12日(金)の調理実習は「料理の味を引き出すササニシキを使って精進料理」を作りました。参加者は4名でした。

10時10分に参加者の方が集まり、調理実習がはじまりました。
献立を考えた木村栄養士から献立の説明があります。精進料理を調理実習するのは2回目になります。前回は「うなぎのかば焼きもどき」がメインでした。今回は握りずしに最適と言われているササニシキというお米を使った精進握り寿司です。刺身こんにゃくはイカに見立て、椎茸はアワビ、トマトはまぐろに見えるように握ります。
今回は塩分についてのお話もありました。食事から摂る塩分は、調味料を入れずに無塩にしても、食材に含まれる塩分で2gくらいは摂れてしまっているらしいです。生きていくために必要な塩分は1.3gともいわれているので、基本的に普段は塩分を摂りすぎているというお話がありました。
その後、献立の説明があり、それぞれ担当をきめて、10時30分から調理に取り掛かりました。

“精進握りずし”は、〈すしめし〉はササニシキをといで分量の水を加え、30分以上おいてから炊きます。今回は1.1倍の水を加えて炊飯しました。ごはんが熱いうちに、よく混ぜた合わせ酢をまわしながらご飯を切るように混ぜ、うちわであおいでつやを出します。
ミディトマトは半分に切って中身を出して、また半分に切ります。こんにゃくは縦方向に切り込みを入れ塩ゆでします。しいたけはかさの裏側から2cm間隔で浅く切り込みを入れます。網焼きし、調味料にくぐらせ軽く焼きます。
すし飯は食べやすい大きさに握りそれぞれの具を乗せます。なんてんの葉とすし生姜を形良く乗せて器に盛ります。葉が紅葉しているので、ぐっと季節感が出る盛り付けになりました。
“飛竜頭”は、豆腐を水切りします。干しシイタケ、きくらげは戻してみじん切りします。人参もみじん切りにします。小鍋にシイタケの戻し汁、分量のみりん、醤油を合わせ具材を煮て味を含ませます。
水切りした豆腐を大和芋のすりおろし、塩、片栗粉を擦りこませたら汁気を切った具材を混ぜます。1人2個分になるように分けてぎんなんを2個ずつ入れ小判型に丸め、中温の油で揚げます。付け合わせにレタスを添えて盛り付けます。今回使った大和芋は粘りが強く、しっかりとまとまるのでとても美味しい飛竜頭になりました。

“大根と厚揚げの煮物”は、大根は面取りし、米のとぎ汁で下茹でします。人参はねじり梅にし、下茹でします。厚揚げは斜めに切り、湯通しします。
大根と厚揚げ、昆布とだし汁を鍋に入れひと煮立ちしたら甘味料を加え、醤油で調味します。人参は茹でておきます。器に盛りゆずの皮を添えます。参加者の方がすごく綺麗に細く柚子の皮を切ってくださったので、盛り付けたときの印象が整って見えて、美しかったです。
“水菜とリンゴのフレンチサラダ”は、水菜は3cm長さに切り、リンゴはくし型に切ってから皮ごと1mm厚さに切って塩水に浸けて水気を切ります。今回は参加者の方が自宅で栽培したプチトマトを持ってきてくださったので、リンゴの代わりに輪切りにして加えました。人参は皮をむいてピーラーで短冊に切り素揚げします。ボウルにドレッシングの材料を混ぜ合わせます。水菜、プチトマト、人参を器に盛り、いただく直前にドレッシングをかけます。プチトマトがこの時期なのに甘くて美味しく、フレンチサラダにすごく合っているなと思いました。
“よもぎの赤だし”は、よもぎ麩は戻して1人1個あて厚めに切ります。出汁を煮立て、よもぎ麩と赤だしを加えます。器によもぎ麩がのぞく程度にだし汁を注ぎ、からしを添えます。
“柿のコンポート”は、柿を切り分け、ラカントとレモン汁、レモンのスライスを入れて炊きます。柔らかくなったらシナモンをまぶして器に盛ります。

12時にできあがり食べ始めました。
皆さんの手際が良く、お寿司もとても美しく盛り付けられていました。参加者の方が持ってきてくださったムベという赤紫に熟した果物を初めて食べました。中は黒い種があり、果肉はゼリーのような食感でした。皮が赤紫なのですが、木に生るようで、その方の家の前を通る小学生が「さつま芋がなっとる!」と言って通って行くという面白いお話を聞かせて下さいました。アケビとの違いは、アケビの葉は落葉しますが、ムベはしないことも教えて下さいました。ムベの皮を天ぷらにして頂いたり、種を取って寒天で固めてゼリーのようにしたりと食べ方がいろいろ楽しめるようでした。

精進料理の食後に、木村栄養士が抹茶をたて、一緒に和菓子の「ひがしや」の”亥の子餅”をいただきました。11月にある「いのこ祭り」は西日本を中心に広がった文化なのだそうです。この時期にイノシシの形をした「亥の子餅」を食べると、万病から逃れると言われています。中にあんこが入っていましたが、黒胡麻もたっぷり使われているようで、まさイノシシの子供のような深い茶色の見た目にきな粉がまぶしてありました。柔らかくもっちりして、味も甘すぎず、すごく美味しかったです。胡麻の風味もすごく良いなと思いました。参加者の方と木村栄養士がたてたお茶を頂きながら至福の時間でした。
後片付けをし、集合写真を撮ってからまた2月にお会いすることを約束し、13時に解散しました。

献立 561.1kcal(7.02単位)
精進握りずし ササニシキ米、塩、酢、パルスイート、トマト、かいわれ、こんにゃく、生姜、しいたけ、薄口醤油、みりん、青しそ、すし生姜
飛竜頭 木綿豆腐、乾しいたけ、きくらげ、人参、ぎんなん、大和芋、塩、みりん、濃い口しょうゆ、油、レタス 片栗粉
大根と厚揚げの煮物 大根、生揚げ、昆布だし、パルスイート、薄口しょうゆ、人参、ゆず
水菜とりんごのフレンチサラダ 水菜、プチトマト、人参、果実酢、レモン汁、粒入りマスタード、塩、はちみつ
赤だし 昆布だし、よもぎ麩、赤だし、からし
柿のコンポート 柿、ラカントs、レモン汁