平成24年11月9日に調理実習を行い、「懐石料理」を作りました。7名の参加がありました。
まず、栄養士より懐石料理の説明がありました。「懐石料理は,禅宗の僧が懐に温石を入れて一時的に空腹をしのいでいたことから由来しています。和食の基本、1汁3菜はここからきています。お茶を美味しく飲むための料理が懐石料理、酒を楽しむための料理が会席料理です。」などの説明の後、本日の献立の説明があり、10:50頃から担当に分かれて調理し始めました。
「お向う」の鯛の刺身は通常の切り方とは異なる細造りという切り方をしました。そして切った身を一切れずつ小高い山のように盛っていきました。「刺身をこのように切ったのは初めて!」と言われていました。また、メインディッシュである煮物椀は今回、栄養バランスのことや、みなさんが家で簡単にできるということを考慮し、はんぺんを使ったものでした。まず、はんぺんをすり鉢ですったあと、エビ、栗、調理料を混ぜて手で丸め、蒸し器で蒸していきました。焼き物も栄養バランスを考え、魚ではなく、なすを油で揚げ、味噌を塗ってグリルで焼き、卵黄を塗って再びグリルで焼いていきました。源平なますは、干し柿が手に入らなかったため、生の柿で作りました。味噌汁は夏は赤みそ、冬は白みそが基本ですが、今の季節を考え、赤みそと白みそを混ぜたものを使用しました。
調理が終わったら、患者様の協力により持ってきてくださった塗りものの器に全員で盛り付けをしました。ごはんは最初から盛らず、ほんの少しの量を小高く持りました。味噌汁はお椀の真ん中に具を乗せ、赤味噌と白味噌を混ぜた味噌汁を具が見える程度はり、具の上に溶き辛子を乗せました。すべて盛り付けた後、試食をしました。食べ方も教えていただきました。
「味噌汁に辛子を入れたのは初めて!」「刺身をポン酢で食べるとさっぱりしていますね。」煮物椀の海老真薯(えびしんじょ)は、百合根で作るようになっていたのですが、百合根はまだ販売されていなかったため、栗を代用しました。「栗を代用したことで、栗の甘味がほんのりと出ていて、それがまた良いアクセントとなっていますね。」「海老真薯は簡単でびっくりです。」「なすが美味しい!」など色んな感想を言いながら試食をしました。その他、八寸(はっすん;山のものは黒豆、海のものはさきいか)や小吸い物(こずいもの;梅干し、せん生姜)、湯樋(ゆとう)が出て、最後にお煎茶もいただきました。
今回は新シリーズ1回目ということで、手間取ったことが多々ありましたが、患者様の協力のお陰で終えることが来ました。最後にアンケートにも協力していただき、懐石料理の調理実習の感想として、「今年の正月料理に加えたいです。」「得意料理にしたいです。」「懐石料理を調理することは初めてで、良い勉強をさせていただいた。」などがありました。
ごはん(130g)
味噌汁:かぶ、赤味噌、白味噌、からし
お向う:鯛、大根、おくら、わさび、ポン酢
煮物椀:はんぺん、銀杏、栗、えび、椎茸、春菊、人参、ゆず
焼き物:なす、油、味噌、ラカント、卵黄
源平なます:大根、人参、柿
湯樋:精白米(5g)
香の物:たくあん、広島菜
果物:キウイフルーツ、巨峰、みかん