今回は、3月21日（日）に「走って遍路」の第4弾を、前回の平等寺からスタートし、第23番札所の薬王寺まで走りました。

今回の23番札所は今週いっぱい放送されるNHKの朝の連続テレビ小説「ウエルかめ」の舞台となっている美波町にあり、今自分が遍路をしているので、時々見て放送されている現地の映像がどんなのかを実際に見るのも今回の「走って遍路」の興味の一つでした。最初は21日と22日の連休を利用して2日間の予定でしたが、22日に広島で研修が入り、21日のみとしました。

今回は徳島県最後の23番札所”薬王寺”が目標で、段々と徳島駅から離れるため、前日の宿泊もスタート地点に近い旅館にしました。3月20日（土）午前中診療し、前回と同じ時間の電車とルートで、徳島駅には午後7時半に到着。さらに特急電車を乗り換えて、桑野駅の駅前にある清水旅館に午後8時過ぎに着きました。老夫婦二人で経営され、今日は11名の遍路さんが泊まっているとのこと、明日は平等寺まで車で連れて行ってもらえることになりました。4畳半の部屋で、トイレ、風呂、洗面は共同になっていました。夜中からは雷が鳴り、風も強くなり、雨も降り始め、明日の天候が心配になりながら就寝しました。

3月21日（日）は午前6時から旅館で朝食、雨は降っていないようですが、どんよりと曇りかと思っていると黄砂の影響とのことでした。他の2名の方と一緒に旅館のご主人が車で平等寺まで連れてってもらい、そこから午前7時15分スタートしました。同乗した京都から来た男性と最初歩きながら「3月14日から3月いっぱい休みが取れて歩いて、気に入った所の写真を撮りながらゆっくり歩いて回っている」ことの話を聞きました。

今回の予定は平等寺〜（23）薬王寺（22.5キロ）と札所としては1つですが、次の高知県の室戸岬にある24番札所、最御崎寺（ほつみさき寺）が74.2キロと遠いため、薬王寺のあとは午後3時まで行ける所まで室戸岬をめざして走ることにしました。

アップダウンが続きながら峠やトンネルを越えていき、所々に休憩のための遍路小屋がありました。これまで山の中や川沿いの道を走ることが多かったですが、三波町に入ると海が見えてきて、ウエルかめのタイトルの入った美波町ののぼりが道沿いの立てられ、これまでとは違った風景の中の走りとなりました。桜も満開にはまだ時間がかかりそうですが、少しずつ咲き始めていました。車ですれ違ったお坊さんから接待で缶コーヒーをもらい、海を見ながら一休み。海は太平洋の荒い波で、岡の上に人だかりがあり、聞いてみるとサーフィンをしているのとのこと、「そういえばウエルかめの主人公のお父さんもサーフィンをしていたこと」やハワイのダイヤモンドヘッドから見たサーフィンをしている人達がいたのを思い出しました。

いくつかの湾を通過していくと、ウミガメの産卵のある大浜海岸が見えてきました。うみがめ博物館があり、中に入ってみました。ここもテレビのなかであったなと思いながら、ウミガメの種類の説明やウミガメの成長などを見て回りました。ウミガメの卵があり、ピンポン球より一回り大きい丸い形をしており、最近読んだ小説「オイアウエ漂流記」（荻原　浩著、新潮社）で無人島に漂着してウミガメの卵を食べたことが描いてあり、これかと思いながら見ました。

博物館を出て薬王寺をめざしてあと2キロを市街地のなかを通って行きます。ドラマの効果か、これまでの遍路さんだけから、観光客も多く町中にいました。接待所の前を通った時に「お茶でも飲んで行きませんか」と声をかけられ、饅頭とお茶をいただきながら、「ドラマはセットが多いこと。先週、孫の通っている日和佐小学校に主役の倉科カナが来た」ことなどを聞きました。

午前12時に薬王寺に着きました。いつものように礼拝をして、昼食はちかくにある道の駅でとることにしました。ここも今、主役が働いている所と思いながら、中を見て回りましたが、やはりドラマはセットなので、本物とは少し違っていました。食堂はなく、外の屋台の所で買って食べました。予定では午前11時までには着いている予定でしたが、午後1時にスタートになり、予定の15キロ先の牟岐（むぎ）駅は帰りのことを考えると難しいかと思いながら、午後3時まで行ける所まで走って、もよりの駅から帰ることにしました。

結局、薬王寺から11.5キロの地点の予定より一つ手前の辺川（へがわ）駅までとして、午後3時7分の電車に乗り、広島に向かって帰りました。広島駅に午後8時半に着き、第4回目の「四国八十八ケ所走って遍路」は終わりました。次回の札所は室戸岬にあり、過去最長の63キロ先と距離が長いので、日程や交通機関の時間を考え予定し、お伝えします。
今回は39,157歩、33.5キロ。