平成26年3月より月2回程度昼の「まかない」を始めました。NHKの「サラメシ」という番組を真似て、「クリメシ」と名付けました。 平成31年4月18日(木)のまかないは「サケの焼きづけ」で、9名が参加しました。3分間スピーチは大久保院長。
サケは素焼きにして大根おろしと千切りにしたにんじんを酢としょうゆでいただきます。
「鶏レバーとひじきの味噌煮」では、鶏レバーの血抜きを時短でするために塩でもんで、酒にしばらく浸して血抜きをしました。
栄養価の高いレバーを、鉄分たっぷりのひじきといただくので、敬意を表して「栄養のかたまり」といいながら調理をしました。
「ごまプリン」は、練りごまと牛乳、パルスイートをすり鉢で混ぜて溶かしました。本来は鍋に入れて中火で煮溶かすのですが、火を使わないように工夫し、これも時短。水とゼラチンを混ぜ合わせて電子レンジで加熱してあわせて固めるので、これまた時短。と時短調理のおかげで順調に進み、11時ごろにはほとんど料理が出来上がっていました。
まかないアンケート(9名)
1.魚を食べる頻度は、どれくらいですか;週3、4回:5名 週2回以下:4名
2.腹何分ですか;腹7分:1名 腹8分:1名 腹9分:2名 満腹:5名
3.盛り付け、彩り;全員良い
4.今日のまかない、星いくつ;星2つ半:1名 星3つ:8名
5.感想
レバーとひじきの味噌煮、くさみなく美味しくいただきました。レバー苦手ですが食べられました。
煮物が2つあり、少しさっぱりしたものがほしかった。
和風ラタトゥイユ、家でも作ってみます。
ごまプリン、ごまの風味濃厚で美味しかった。 など
3分間スピーチ(要旨)「遺伝と進化」 大久保院長
今回の3分間スピーチは「破壊する創造者」と題した本、2011年出版、早川書房、著者はフランク ライアン、副題は「ウイルスがヒトを進化させた」とあり、面白そうなので読んでみた感想にしました。
普通、ウイルスというと、インフルエンザ、風疹、肝炎ウイルス、エイズウイルスなどヒトにとって害はあっても有益になるとは考えにくいことです。副題にあるように、どんな風にウイルスがヒトの進化に関与しているのかは興味のあるところでした。
「遺伝」という言葉を聞くと、メンデルの「遺伝の法則(1865年)」ではないでしょうか。エンドウマメの交配実験で、黄色と緑のエンドウマメからできたのが黄色と緑の中間色と予想されたが、すべて黄色だった、優性遺伝が知られています。
「遺伝」はたんぱく質のアミノ酸配列の情報を核の中にあるDNAが持っており、それを親から子へ伝えられること。核の中にある情報をRNAが細胞質まで運び、たんぱく質が合成される。1個の卵子と精子から受精卵ができ、それが分裂して、いろんな組織や臓器に分化していく。体のすべての細胞は同じDNA(遺伝情報)を持っているが、各々の組織の細胞でその役割にそった遺伝子のみが働いて、たんぱく質が合成される。例えば膵臓のβ細胞はインスリンを作ることが主になっています。
たんぱく質は人間ではほとんど同じであり、遺伝情報は同じです。そうすると親から子へ形質(遺伝情報)が伝わる時に出来上がった体は
(1)人間に共通した特徴を持っている。;外観や手や足など、猿とは違う。
(2)日本人同士だと日本人ぽい外観になる。ハーフだとそうだよねというような外観になる。;人種的な外観がある。
(3)親同士に似た子供になる。;同じ日本人でも各々外観や顔などが個人個人で違っている。
遺伝子は各々の種で共通な点と個人差の2つの特徴を持っている。ヒトの遺伝子の数は2万程度で、想像されていたよりは少なく、ショウジョウバエや線虫と同じくらいしかないことは驚きです。
図1にあるように、ゲノムと呼ばれる遺伝情報、核のDNAに占める人間の機能遺伝子(紫)はほんの1.5%を占めるのみで、それ以外の部位は存在意義が不明の部分が大部分を占めている。その中のHERV(青)と呼ばれる、ヒト内在性レロトウイルス=Human Endogenous Retrovirus、部分が多い。ずっと以前に感染したウイルスの痕跡がヒトゲノムに残ったものであるとされる。
本を読んでみて、ウイルス由来の遺伝子が受精卵の着床と胎盤形成に関わっていること、他にも関与が示唆されるような所見があるようだとはあるものの、すっきり、はっきりした事実はわかりませんでした。寄生しているのではなく、ヒトと共生している。よく知られているのは細胞の中にあるエネルギーを産生するミトコンドリアは昔は細菌で細胞の中に入ってきて、共生をしていることに由来しています。
「進化」と言えば思い出すのはダーウインが1831年から1836年にかけてビーグル号で地球一周をして、「種の起源(1859年出版)」の進化論を思い出すと思います。ここでいう「進化」はより良い状態になるような「進歩」ということではなく、「変化」という意味で使われています。イメージとしては生物が海から陸へ上がり、更に大木が枝分かれするように、猿と人間、ライオンと猫などに分かれて進化をしていった。
その進化の推進力になるものが図5にあります。この中で最近よく話題となっている用語は「エピジェネティックス」と呼ばれる、後天的な作用(環境など)により遺伝子の発現が制御されること。
本の読んで、霞が晴れるようなすっきりした感じはありませんでしたが、色々考えされることが多くありました。
麦ご飯 精白米、麦
鶏レバーとひじきの味噌煮 鶏レバー、ひじき、しめじ、さやいんげん、黄ピーマン、赤味噌、みりん、しょうが
和風ラタトゥイユ 玉ねぎ、なす、かぼちゃ、トマト、油、にんにく、酒、水、しょうゆ
ごまプリン 練りごま、水、ゼラチン、パルスイート、牛乳