ウェルネスクリニック

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内科・生活習慣病(糖尿病・高脂血症・高血圧)・甲状腺を診療する柳井市の病院です。

トウニョ
〒742-0021 山口県柳井市柳井1547-1
2022.11.11

第592回調理実習「山口県郷土料理」

令和4年11月11日(金)の調理実習は「山口県郷土料理」を作りました。参加者は4名でした。

10時に参加者の方が集まり、調理実習が始まりました。
はじめに木村栄養士から「山口県出身の方はいますか?」という問いかけがありました。3人の方が山口県で、1人の方が広島県出身でした。今回の献立が山口県の郷土料理なので、郷土料理について少し話がありました。山口県の郷土料理には、今回作る”押しずし”、”けんちょう”、”いとこ煮”、”ちしゃなます”の他に茶がゆやのっぺい汁などがあります。岩国寿司のことを押しずしと呼ぶことがあるみたいです。またちしゃなますは、今回は煮干しを使っていますが代わりにメバルを使うこともあります。郷土料理は、日持ちさせるために砂糖や醤油が多く使われているのが特徴です。今回は、調理実習用に少し工夫をして薄味にしてあります。
次に、11月14日の世界糖尿病デーについての話がありました。今年はこの日を含む11月13日〜11月19日を糖尿病週間とされています。14日は、錦帯橋やスカイツリー、東京タワーなど全国のいろいろな場所が青色にライトアップされます。柳井市では白壁通りに飾ってある金魚ちょうちんが青色に変わっているみたいです。この時期しか見られないので行ってみたいと思いました。
年々、糖尿病人口は増加傾向でこの先も増え続けると言われています。最近では”糖質制限”や”糖質オフ”という言葉をよく耳にすると思います。これらはあまりよくないという話がありました。ご飯には植物性たんぱく質が含まれているので摂り過ぎはよくないですが、ある程度の糖質は必要です。また、腎臓を守るためには塩分を控えることが大切だという話がありました。薄味にすると食材の持ち味がわかり良いそうです。
その後、献立説明があり、それぞれ担当を決めて10時35分から調理が始まりました。

”押しずし”は、錦糸卵を作ります。薄焼き卵を焼いて、冷めたら千切りにします。エビは下茹でして半分に切ります。酢蓮根を作ります。水煮のスライス蓮根を柔らかくなるまで茹で、甘酢につけます。しいたけの甘辛煮を作ります。しいたけを細かく切って、調味料と一緒に煮て冷まします。大葉は千切りにして穴子は1人2つ取れるように細切りにします。絹さやは茹でて5ミリ幅に切ります。
ボウルにご飯と酢、塩、ラカントを入れて切るように混ぜあわせて、うちわで扇いで冷まします。押しずしの型にレタス、ご飯、他の具材の順に重ねていき、これを2回繰り返します。
”けんちょう”は、豆腐をレンジにかけて水切りします。大根と人参は皮をむいていちょう切りにします。鍋に油を熱して、豆腐を崩しながら入れ、豆腐の水気が少し飛ぶ程度に炒め大根と人参を加えて炒めます。調味料を加えて、大根に味が染みるまで煮ます。

”いとこ煮”は、小豆の水煮にラカントを加えてかぶるくらいの水で柔らかくなるまで煮ます。戻した干し椎茸は、1人2つ取れるようにいちょう切りにします。
白玉粉は水を加えてこね、半量に食紅で色を付け、紅白の団子にして茹でます。だし汁に椎茸の戻し汁を加え、椎茸を入れて煮立て、薄口醤油と塩で調味し、小豆と蒲鉾を加えて一煮立ちさせました。器に紅白の団子を入れて、汁を注ぎ出来上がりです。
”ちしゃなます”はちしゃを洗って手でちぎり、水気を切ります。煮干しは頭と内臓を取って乾煎りし、粉末になるまでよくすり鉢で擦ります。そこにラカント、酢、味噌を加えて擦り混ぜます。しっかり揉み込みました。
”寒天よせ”は、柿の皮をむき種を取りミキサーにかけます。柿だけではミキサーが回らなかったので、分量の水から少し水を加えて回しました。鍋に水と粉寒天、パルスイートを入れよく混ぜ、沸騰したら2分間煮溶かします。少し冷めたらミキサーにかけた柿を加えてよく混ぜ、容器に入れ冷蔵庫で冷やします。器の盛り、ナンテンの葉を添えます。

12時に出来上がり食べ始めました。
みなさんどれもすごく美味しいと言ってくださいました。特に”寒天寄せ”が好評でした。口当たりがよく寒天を使っているのにゼラチンで作ったようななめらかさでした。柿の風味もとてもよかったです。
参加者の方で、けんちょうに鶏肉を入れて作ると教えていただきました。厚揚げで作る家庭もあるみたいです。いとこ煮やちしゃなますもそうですが、家庭によってそれぞれ味が違うと思うので、味の感想や家庭との違いなどいろいろお話を聞いてみたいと思いました。
広島県出身の参加者の方が、広島では「田舎寿司」というものがあると言われていました。調べてみると、角寿司と呼ばれることもあるみたいです。「上置き」と呼ばれる上部の飾りとなる具材と、「中具」と呼ばれる、酢飯の中に具材を入れるのが特徴とありました。「上置き」には、しめさばや薄焼き卵、かまぼこなど、「中具」には、人参やしいたけなどをやや辛めに煮て入れるみたいです。食べ進めると、突然煮物の濃い味が広がる仕掛けになっているそうで、とても美味しそうでした。
来年で88歳になり米寿を迎える参加者がいらっしゃいます。何年も調理実習に参加されていて、「ここに来ると元気になる」と毎回言ってくださるのでとても嬉しいです。男性の方ですが、とても料理上手でいろいろ教えてくださるのでとても勉強になります。

食後に、木村栄養士が抹茶をたて、一緒に「ひがしや」の”紅葉”という和菓子をいただきました。京都のつくね芋を特別に取り寄せ、すりおろしたものを生地にしているそうです。中は白餡でした。オレンジと黄色のグラデーションがとても綺麗で、つくね芋のいい香りがしました。口当たりがなめらがで甘過ぎず、抹茶とよく合いとても美味しくいただきました。
後片付けをし集合写真を撮って、次回2月にまたお会いすることを約束して、13時過ぎに解散しました。

献立6,68単位(534kcal)
押しずし 米、蓮根、サニーレタス、干し椎茸、しそ、たらでんぶ、焼き穴子、えび、絹さや、卵、濃口醤油、ラカント、酢、塩
けんちょう 木綿豆腐、大根、人参、油、いりこだし、酒、ラカント
いとこ煮 ゆで小豆、ラカント、蒸し蒲鉾、干し椎茸、白玉粉、食紅、塩、薄口醤油
ちしゃなます サニーレタス、煮干し、麦味噌、ラカント、酢
寒天よせ 柿、パルスイート、粉寒天