平成26年3月より月2回程度昼の「まかない」を始めました。NHKの「サラメシ」という番組を真似て、「クリメシ」と名付けました。 平成30年10月4日(木)のまかないは「栗おこわと鮭のムニエル」で、12名が参加しました。3分間スピーチは木村栄養士でした。
先日 書類の整理をしていて平成19年3月(11年前)に下関短大で教鞭をとっていたときの論文「食」教育への茶会席導入の試みが30冊綺麗な紙に包装されて出てきました。
栄養健康学科の食育の中で学生に我が国の伝統的文化の1つである茶懐石を取り入れるこころみを行ったものです。あらためて読み返してただいま当院で料理教室に携わっていますが茶会席料理は、献立の基本のように思います。和美マネージャーに賄のコメント何をしょうかと悩んでいたら和食の原点茶懐石料理で報告してはといわれで当時の一部をゆるされた時間で報告したいと思います。本に従って話します。下関短期大学紀要 第25号より抜粋したものです。
茶懐石料理は人をもてなす料理で、お茶を美味しく頂くための料理であり、空き腹で抹茶を飲むと体にこたえるので腹6分から7分の食事を頂く事です。
大事なこと
1.もてなすことは客の食べる時間に合わせ、間が大切で温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たく出す事が大切で、微妙な事に亭主は神経を集中させる。
2.一汁三菜を基本にあくまで質素簡素であり、季節感があること。
四季折々の旬の材料で献立をつくり、季節間を盛り上げ、材料のもつ色、形、香りを重んじて、これを生かす。海、山、里の幸が重複しないようにする。
茶懐石料理は季節が大切で5月から10月風炉、11月から4月炉
みそ汁・・・夏は赤味噌が主体、冬は白味噌 季節の合間は赤味噌と白味噌を合わせる。
旬のものを使うが、旬のものが栄養価がもっとも高く、理にかなっている。
3.盛り付けは気配りする。
食器との調和が大切で食器選びは慎重にする。
苦心したことは
1.旬を取りいれる。2.時間内にできる。3.満足感がある。4.見た目に綺麗である。5.簡単にできる。6.エネルギーが過剰にならない。
この主旨をもと作った献立です。
献立に従い料理を出していきます。実際は八寸を食べ主菓子を食べたら仲立ちをします。席をあらためて 軸の変わりに花を活けてお抹茶を頂きます。ゆったりと亭主が作った心づくしの料理を腹6から7分いただき、季節の主菓子をいただいてお茶をのむと時間は3から4時間かかります。身も心も充実します。日本人あることに嬉しく、利休さんに感謝したくなります。
学生の懐石料理の実習は11月行いました。
紅葉舞秋風に舞うの軸を賭け、花入れ(木村が作った)に学校の校庭に咲いた 山吹の花、椿(ちょうど3分目方開いた花がありました)照り葉(前日校庭の桜の葉の色つきの良い葉を福原先生と捜し求めた)かなめに我が家の庭の小菊を入れた。
9時45分から献立の説明、実習に取り掛かったのが10時25分、出来上がったのが12時25分で2時間かかりました。
茶懐石料理では煮物椀が一番ご馳走とされ、亭主は煮物椀作りに気持ちを集中させる。それだけに時間をかける。制約された時間の中で学生につくらせるにはどうしたらよいか考えました。魚の白身を使って、しんじょうにしたいと思ったのですが、魚の白身を使うと費用も時間もかかるで、はんぺんを使いました。味は白身の魚を使ったと同じくらいのできばえで学生も喜んで食べてくれまいた。この煮物椀は当院の料理本にも紹介しています。
学生のレポート中にこちらの思いをそのまま汲み取ってくれる者が結構多く、伝統と文化をわかってくれたようで感激ししたことが昨日のように思い出されました。お茶の精神、和敬静寂、温雅礼節は全員に伝わったと確信している。
栄養学的分析としては、ミネラルのカルシュウムは若干少なく鉄は充足していた。レチノール当量、ビタミンB1、ビタミンB2、Cも充足していた。塩分は6グラム。
食品の種類35種類はすばらしいと思う。脂肪が多くなりがちなもてなし料理で脂肪が少ないのは時には、大切なことであり、たんぱく質がその分多くなるのは、やむをえないと考えます。ただ、塩分はもう少し抑えたかった。
量的に腹6分より多くなったので、この辺は煮物の量を半量、みそ汁、漬物の量をへらし、減塩していくことは可能と考える。最近の食事は美味しい料理は高カロリーで肥満をさけることが難しいが、この料理をもっと、手軽に取り入れてもらえれば、もてなしうけるほうも、安心して食べられる。
いつも感じることは、日本人は目で食べる民族であるといわれるが、彩り、器が非常に大切。あの北大路魯山人が「食器は着物」と言い、料理をつくり、気に入った器がないのでとうとう自分が盛る器を作ったのはあまりにも有名。木村もいつも器に執着する。
このレシピは、誰にでも簡単に出来にできる献立で、エネルギーは適量で私は幅広い支持がもらえると信じて今後も使っていきたいと更におもいを強くしました。
栗おこわ もち米、栗、小豆、食塩、酒、みりん
鮭のムニエル 鮭、食塩、こしょう、小麦粉、油
きのこ汁 しめじ、エリンギ、しいたけ、ささみ、生麩、三つ葉、うすくちしょうゆ
白菜サラダ 白菜、ハム、りんご、サラダ油、酢、こしょ;