令和3年3月5日(金)の調理実習は「豚肉の南部焼き」を作りました。参加者は6名でした。
10時に参加者の方が集まり、調理実習がはじまりました。献立説明の前に、矢野栄養士から南部焼きについての話がありました。「南部焼き」とは、ごまを入れたつけだれにつけて焼いた料理やごまをまぶしつけた焼き物のことです。南部地方(岩手県と青森県にまたがる地域)がごまの産地であることから、ごまを使った料理にこの名がつけられているそうです。また、ごまの栄養についての話がありました。ごまの50%が脂質ですが、そのほとんどが不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸)で、コレステロール値を下げるとされています。ゴマにはビタミンEが多く含まれており、ビタミンEには抗酸化作用があります。これは細胞をサビないようにする作用があると言われています。
もち麦には水溶性食物繊維が多く含まれており、食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを包んで便に出す働きがあるという話がありました。参加者の方からもち麦の使い方の質問があり、初めて使う時は少量ずつ使っていくのがいいというお話がありました。その後、今日の献立の説明があり、それぞれ担当をきめて、10時30分から調理に取り掛かりました。
“豚肉の南部焼き”は、豚肉を卵やしょうゆなどを入れた漬け汁にさっとくぐらせ、豚肉にごまをまぶしてオーブンで焼きます。
“ほうれん草のソテー”は、ほうれん草はゆでて4cmの長さに切ります。エリンギも同じ長さの短冊に切ります。フライパンにバターを入れて炒めて、塩こしょうで味を調えて、ミニトマトと一緒に盛り付けます。今回はミニトマトを湯むきしました。
“大根の煮物”は、大根はいちょう切り、人参は型で抜き、しょうがはせん切りにします。イカは食べやすい大きさに切ります。鍋に水と調味料を入れて、大根と人参が柔らかくなるまで煮ます。イカとしょうがを入れてさらに煮て、器に盛ります。
“大根の柚子みそ和え”は、大根は皮をむいて短冊切りにし、塩をしておきます。今回はかぶが手に入らなかったので大根で代用しました。ゆずは天盛り用にせん切りにしておきます。鍋にみそ、みりん、水を少し入れて火にかけます。少しとろっとしたら火からおろし、粗熱が取れたらゆずの皮のすりおろしを加えて混ぜます。水気をきったかぶを入れて和えて盛り付けます。
“中華風クリームスープ”は、白菜はざく切り、しめじは小房に分け、ハムは角切りにします。鍋に水を入れ煮立ったら、具材と中華だしを入れて煮ます。火が通ったら、牛乳を加えて塩で味を調えます。最後に水溶き片栗粉を入れてとろみをつけます。
“伊予柑ゼリー”は、伊予柑の缶詰を実と汁で分けて、実はミキサーにかけます。溶かしたゼラチンにミキサーをかけた伊予柑を混ぜながら入れ、容器に注ぎ、冷やし固めます。今回はミントを飾りました。
12時にできあがり食べ始めました。
みなさんの手際がよかったので、ご飯は俵おにぎりにしてデンファレという蘭のお花を添えました。
参加者の方が、前回の献立の精進料理を家に帰ってからまた家族に作ってみたことをお話されていました。家族にも好評だったと言われていたので、献立を考えた木村栄養士も喜んでいました。
寒天とゼラチンの使い方の違いについての質問もありました。寒天は海草から出来ていて、基本的には和風のものに使うことが多く、常温で固まるので、一度固まったら溶けにくいのが特徴です。
ゼラチンは豚のコラーゲンから出来ています。ゼラチンは人の体温ぐらいの熱でも溶けるので、嚥下困難の方には喉に詰まりにくく、適しているとのことです。
食後のコーヒーをいただき、後片付けをし、また5月にお会いすることを約束し、13時に解散しました。
献立 6.47単位(518kcal)
ご飯 精白米、もち麦、のり
豚肉の南部焼き 豚ヒレ肉、鶏卵、しょうゆ、みりん、小麦粉、いりごま
ほうれん草のソテー ほうれん草、エリンギ、バター、ミニトマト
大根の煮物 大根、人参、いか、しょうが、しょうゆ、酒、みりん、砂糖
大根の柚子みそ和え 大根、みそ、みりん、ゆず
中華風クリームスープ 白菜、しめじ、ハム、牛乳、中華だし、片栗粉、パセリ
伊予柑ゼリー 伊予柑(缶)、ゼラチン、ミント