ウェルネスクリニック

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内科・生活習慣病(糖尿病・高脂血症・高血圧)・甲状腺を診療する柳井市の病院です。

トウニョ
〒742-0021 山口県柳井市柳井1547-1
2008.05.06

第20回山口100萩往還マラニック大会

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第20回山口100萩往還マラニック大会が5月2日(水)から4日(金)にかけて山口市で開催されました。種目にはマラニック(マラソンとピクニックを掛け合わせた言葉)が4種目あり、48時間で山口から小郡、油谷、長門、萩から山口までもどる250キロの超ウルトラマラソン、140キロ(制限時間24時間)、70キロ、35キロ、歩け歩けの部が60キロ、35キロとあります。山口と萩の間35キロが共通のコースとなっています。今年で7回目の参加になり、今回は歩け歩けの60キロに参加しました。60キロは瀬戸内海に面した防府の三田尻から山口の瑠璃光寺の前を通って日本海に面した萩城までの昔の参勤交代の道(萩往還)をいく中国山地を縦断するコースになっています。5月3日の午後8時にスタートし、夜中を通して歩き萩を目指します。

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5月3日午後7時過ぎに防府の三田尻に到着し、受付をしてゼッケンや点滅ライトをもらいました。昨年はスタッフの人から今回初めて参加しコースがよくわからない男性がいるのでいっしょに行って欲しいと言われ広島から来た浜井さんといっしょに歩きました。今年は一人で参加し、比較的フラットな山口市まではマラソンの練習も兼ねてゆっくり走って行くことにしました。スタート前に本大会の会長の小野幹夫さんがおられたので、一緒に写真を撮ってもらいスタートをしました。

防府から山口までは途中1カ所あるエイドステーションで休憩した以外は休むこともなく午後11時半には山口市のエイドステーションに到着。途中の休憩などを考えると21キロを3時間程度でまずまず予定通りといったところでした。

山口から山越えの上り坂が始まり、最初の7キロは上りで途中から萩往還の山道になります。山道に入るまでは少ないながら、通り過ぎる車のヘッドランプ、外灯、民家の明かりなどがありますが、それからは真っ暗な石畳や土の道となります。山道に入る前に、ヘッドランプをつけたり、ストック、手袋をだしたりして準備をしていると真っ暗なので顔はよくわかりませんが声の感じからすると60歳過ぎくらいの女性、小山さん(後で参加者名簿を見ると65歳とありました)が一人で上って来て、「一人でこれから山道なので、道に迷ったりすると危険で不安なのでいっしょに行ってください」と言われ、これも何かの縁と思い一緒に行くことになりました。

お互いに自己紹介をしながら山道を歩き始めました。小山さんは「山口県周南市から来て、昨年も60キロに参加し、そこで知り合った人達2名と一緒に歩き、午前8時頃にはゴールした。今回の参加者名簿には昨年いっしょに歩いた人の名前はあったが、いなかった。」こちらは山口まではゆっくりとはいっても走ってきたのに、もう追いついて来たことに驚きながら「卓球や散歩、時々登山もしていること」などを知りました。萩往還は萩城から防府まで昔の参勤交代の道で、坂道は石畳になっており、上りも下りも急で、「昔、お殿様はこの道を籠にのって移動したのだろうか、籠を担いだ人達も大変だったろう。」と想像しながら上っていきました。140キロのランナー達が追い抜いて行ったり、2日の午後6時にスタートした250キロの人が戻ってきてすれ違い、声を掛け合いながら山道を進んで行きました。250キロのトップランナーの中には3日の夜中にはゴールし、4日の朝6時スタートの70キロ(山口と萩の往復)にも参加する人もいて、48時間で320キロをほとんど寝ずに走りきってしまうのには驚異と尊敬の念を感じます。他のグループの人達が歩きながら「そんな人達は生まれてくる時代を間違っていた。昔なら飛脚ができていただろう。」というのを聞いて、佐川急便のマークを思い浮かべ、そうだなと心でうなずきながら進んでいきました。

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山口からゴールの萩城跡までは3つのエイドステーションがあり、さらに途中に私設のエイドスターションがあり、もしかしたら80歳は越えているかもと思える女性が、道の横の農機具小屋で水をくばり、朝からは草餅もつくってくばっています。各エイドステーションの方々はボランティアで徹夜して世話をされています。毎年3日間ゴールデンウイークを使ってマラソン大会を運営するスタッフのバイタリティーと今年で20回を迎えるまで継続できたことは、これもまさにウルトラマラソンと感心と楽しませてもらっていることを感謝をしました。各エイドステーションまでは一山ずつ越えながら中国山地を縦断して行きます。一緒の小山さんの歩きも一定で、膝の痛みや足の痛みを訴えるわけでもなく、淡々と歩かれていました。ばりばりのスポーツウーマンという感じでもなく、「卓球を教えてもらっています。山に連れて行ってもらいました。」と謙虚な姿勢で、一人でもこの大会に参加する気持ちも持ち合わせている柳のようなしなやかな強さを感じました。昨年は30歳過ぎでトライアスロンもして、今年の秋吉台のマラソン大会もハーフを1時間40分で走った浜井さんと一緒に歩いて、12時間半かかったのが、今年は11時間半と1時間近く早くゴールしました。ゴールした後にしっかりと歩かれているので、なにかよっぽど練習されているのかを聞くと「ヨガをしているので、足への体重の掛け方に気をつけて、膝への負担が少ないのかもしれない」と答えられていました。ゴール後は弁当をもらい、お茶、萩の名産の夏みかん、夏みかんの皮を細く切って砂糖漬けにしてグラニュー糖をまぶしたものが置いてあり自由に食べられるようになっていました。日頃は甘すぎてと思っていた砂糖漬けの夏みかんも疲れていたせいかあっさりしておいしく感じ、おみやげに買って帰りました。唯一の悔いの残る点は万歩計を途中で無くしてしまい、せっかく60キロも歩いたのに何歩かわからないことでした。

大会参加規定に「この大会はマラニック大会です。非常食等必要なものをバッグに背負い地図片手に景色を眺め、出会った人と交流しながらコースを巡るもので、マラソン大会ではありません。」とあるように、沿道にはマラソン大会のような応援の人はいませんが、多くの人がボランティアで参加し、大会の運営、エイドステーションや道案内で途中の道に立って我々をサポートし、参加者同士が声を掛け合って応援をし、タイムや順位を争う大会ではなく楽しい大会でした。また来年も出来れば参加したい大会です。みなさんも参加されてみてはいかがですか。おいでませ山口へ!